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数学

関数とは何か近代数学史からのアプローチ

著者 岡本 久
著者 長岡 亮介

著者紹介

天才数学者たちはいかに試行錯誤したのか?
関数概念の歴史的な発展を可能な限り史実に忠実に考察し,かつ,現代の解析学の学習者・研究者の関心に応えるように配慮し,現代数学的な視点を加味した記述を試みた。ともすれば完成された数学として,学生の側から見れば天下り的に,教師の側から見れば教育的な能率ばかりを視野において講じられることの多かった解析学の壮大な体系を,歴史的な発展のダイナミズムに満ちた,人間的なドラマとして迫力をもって伝える。章末演習問題も多数収録、微積分学の副読本としても利用できる。

電子書籍¥4,620 小売希望価格(税込)

紙の書籍¥4,620定価(税込)

基本情報

発売日 2014年7月28日
本体価格 4,200円
ページ数 336 ページ ※印刷物
サイズ
ISBN 9784764904590
ジャンル 数学
タグ 教養, 解析学
電子書籍形式 固定型

主要目次

はじめに

第1部 おおまかな流れ
第1章 数学史の難しさについて
1.1 歷史的由来を探ることの難しさ  
1.2 歴史を評価することの大切さと難しさ  
1.3 第一発見者問題について  
1.4 歷史的評価の弁証法  

第2章 関数
2.1 関数概念のはじまり  
2.2 本格的な解析学の誕生―――オイラーの登場  
2.3 振動弦論争  
2.4 オイラーの新しい関数概念  
2.5 フーリエの革命  
2.6 ディリクレの解析学への貢献とその影響  

第3章 微積分法の合理化と極限概念
3.1 基礎を欠いた微積分法?  
3.2 連続性  
3.3 導関数の定義のなかった解析学  
3.4 微積分法の合理化  

第II部各論
第4章 解析学の創始者 オイラー
4.1 オイラーの位置づけ  
4.2 オイラーの業績  
4.3 オイラー全集について  

第5章 解析学の厳密化
5.1 解析学の基盤  
5.2 ラグランジュの貢献
5.3 ボルツァーノの貢献  
5.4 コーシーの貢献  
5.5 アーベルの貢献  
5.6 その他  

第6章 フーリエ級数 解析学の新展開
6.1 フーリエ級数とは  
6.2 フーリエ級数の由来  

第7章 フーリエ級数の収
7.1 フーリエ級数の収束: ディリクレ  
7.2 フーリエ級数の収束: 様々な十分条件  
7.3 フーリエ級数論の意義  
7.4 フーリエ展開の一意性  
7.5 収束の意味  

第8章 連続だが至る所微分不可能な連続関数とその周辺の話題  
8.1 連続性と微分可能性  
8.2 リーマンの不連続関数  
8.3 ワイエルシュトラスの微分不可能関数  
8.4 高木関数とその周辺  
8.5 ベシコヴィッチ型の微分不可能関数  
8.6 その他の話題  
8.7 原始関数  
8.8 解析関数  

第9章 解析学のもうひとつの流れ――関数の補間と数値計算  
9.1 一次補間(線形補間)  
9.2 対数と補間  
9.3 補間とは  
9.4 ニュートン補間  
9.5 ラグランジュ補間とルンゲ現象  
9.6 補間と補外  
9.7 バースカラI  
9.8 九章算術  
9.9 円弧  
9.10 ワイエルシュトラスの多項式近似定理、ベルンシュタイン多項式  
9.11 ワイエルシュトラスの定理の精密化等、掛谷の定理  

付録
複素関数論の歴史

A.1 虚数から複素数へ  
A.2 微積分と虚数  
A.3 コーシーの複素積分論  
A.4 コーシーの複素積分論の後期の展開  

常微分方程式

B.1 初期の微分方程式  
B.2 コーシーとペアノ  
B.3 南雲道夫の定理  

C ギブズ現象
C.1 ギブズ現象小史  
C.2 ギブズ現象を回避するには  

D 様々な定理
D.1 ワイエルシュトラスの定理の周辺  
D.2 メンショフの定理  
D.3 マズルキェヴィッチの定理の証明  
D.4 項別積分について  
D.5 微積分学の基本定理  
D.6 楕円の周長  

E 関数の定義の変遷  

F 本書に登場する主な主人公の生涯  

G 章末演習問題の解答  

関連図書  
あとがき  
索引

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著者紹介

岡本 久(おかもと ひさし)
1956 年生まれ
1981 年 東京大学理学系研究科修士課程修了
1985 年 理学博士
現 在  京都大学教授
主な著書
『非線形力学』(共著、岩波書店、1995 年)
『関数解析』(共著、岩波書店、1997 年)
『The Mathematical Theory of Permanent Progressive Water-Waves』(World Scientific、2001 年)
『ナヴィエ-ストークス方程式の数理』(東京大学出版会,2009 年)

長岡亮介(ながおか りょうすけ)
1947 年生まれ
1977 年 東京大学大学院理学研究科満期退学 津田塾大学助教授、大東文化大学教授、放送大学教授等を経て
現 在  明治大学特任教授
主な著書
『長岡亮介 線型代数入門講義』(東京図書,2010 年)
『数学者の哲学 + 哲学者の数学』(共著、東京図書、2011 年)
『東大の数学入試問題を楽しむ』(日本評論社、2013 年)
『数学再入門』(日本評論社、2014 年)

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