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緊急事態のための情報システム多様な危機発生事例から探る課題と展望

編集 バーテル バンドワール
監修, 翻訳 村山 優子

著者紹介

緊急事態は情報が「カギ」になる!
 3.11の東日本大震災時に経験したように、緊急事態(災害時)には日常とはまったく違う情報システムが必要となる。それは、いわゆる情報系だけではなく、人的リソース、行政活動、ボランティアなど様々なことが複合的に絡み合う形で動的に変化しながら形成されていく。
本書は、米国を中心にこれらについて研究された成果が整理されてまとめられている数少ない邦訳書である。実践的なケーススタディが多数盛り込まれており、我国の今後の取組みへ向けての貴重な指針となろう。

電子書籍¥8,800 小売希望価格(税込)

紙の書籍¥8,800定価(税込)

基本情報

発売日 2014年8月5日
本体価格 8,000円
ページ数 440 ページ ※印刷物
サイズ B5
ISBN 9784764904453
ジャンル 情報
電子書籍形式 固定型

主要目次

原著まえがき
監訳者まえがき

第1章 緊急事態管理情報の領域
緊急事態管理の網羅する範囲と各段階および情報システムによる支援
EMISについての研究手法:反省と地球観測技術の研究事例
各部・章の要約と概要
第Ⅰ部 基礎:EMISの設計、フレームワークと倫理ガイドライン
第Ⅱ部 個人と組織の意味合い
第Ⅲ部 事例研究
第Ⅳ部 緊急事態管理情報システム(EMIS)の設計と技術
結論
参考文献

第Ⅰ部 基 礎
第2章 災害対応システムのユーザインタフェース設計における問題空間の構成
問題空間の構成
災害の次元
設計問題空間の構造
ケーススタディ:ラッサムコートの火災
結論
謝辞
参考文献

第3章 公衆の保護と個人の権利の取扱い
公衆衛生非常事態に関する緊急事態管理情報システムの倫理的課題
倫理原則の導入
公衆衛生非常事態とはなにか?
公衆衛生非常事態における必要物資の分配に関する問題
公衆衛生非常事態への対応:緊急事態管理情報システムの役割
倫理的課題
今後の展望
参考文献

第Ⅱ部 個人と組織の意味合い
第4章 危機的状況における不適応的な対脅威反応硬直性の緩和
対脅威反応硬直性への挑戦
対脅威反応硬直性と集団思考
脅威に対する組織的な反応
対脅威反応硬直説に関する研究
マドリング・スルー(苦労して切り抜けること)による意思決定
認知的没頭
諸要因のまとめ
マインドフルネス:信頼性の高い組織からの教え
クルー・リソース・マネジメント(CRM)からの教え
個人の認知プロセスのダイナミックモデル
過去からの学び:EMISARIとEIES
柔軟な反応の支援:危機対応管理システムの提案
結論
付録4.1 対脅威硬直性の研究の概要
謝辞
参考文献

第5章 危機発生初期対応におけるツールの効果的利用法
論理的なフレームワーク
METHODOROGY(演習)
成果と発見についてのディスカッション
まとめ
謝辞
参考文献

第Ⅲ部 事例研究
第6章 STATPack™微生物臨床検査とコンサルテーションのための緊急対応システム
STATPack™システム
STATPack™の開発背景
STATPack™の評価に関する議論と学習されたレッスン
結論
謝辞
付録6.1 STATPACK™のサンプル評価
参考文献

第7章 緊急事態対応のコーディネーション 人・プロセス・情報技術の役割の考察
背景
研究のアプローチ
2006年10月の雪嵐と災害対応のコーディネーション
DisasterLANによる技術的支援
2006年10月の雪嵐から得られた教訓
結論
謝辞
参考文献

第8章 人道的情報管理システムが直面する課題
イラクの地雷対策活動における情報管理システムの一考察
研究手法
背景
イラクでの設定
得られた教訓
MIS使用の復元
結論
謝辞
参考文献

第9章 利用者の視点から見たミネソタ州組織間メーデー(Mayday)情報システム
緊急医療サービスシステムのための情報システム
新しく優れたEMS ITシステムの必要性
調査方法とガイドフレームワーク
EMSにおける情報システムの現状:概要
ミネソタ州の事例研究
メーデー利用者の視点
テーマと方針
緊急対応システム開発の課題
危機に対する影響
付録9.1 研究参加者と半構造化インタビューでの質問の種別
参考文献

第Ⅳ部 EMISの設計と技術
第10章 シミュレーションと緊急事態管理
背景
方法論
考察と結論
参考文献

第11章 災害管理における地理的共同作業のためのユーザサポートタスクの構造の概念化
災害管理タスクの概念化
災害管理におけるGISおよび地理的共同作業サポート
地理的共同作業危機管理ウェブポータル(GWP)のプロトタイプ設計
結論
謝辞
参考文献

第12章 国際人道緊急事態対応における宇宙技術の運用アプリケーション
緊急事態のタイプ
コーディネーションツールとメカニズム
活動可能なアクターの間で必要とされる情報
衛星画像
衛星通信
衛星ナビゲーション
未来の発展
結論
謝辞
参考文献

第13章 準リアルタイムな地球規模災害影響分析
背景
イベント検知:洪水の事例
災害のモデリング、津波の伝播
被害のモデル化:国際災害警報システム(GDACS)の場合
災害状況の認識に用いられるその他の情報ツール
まとめ
参考文献

第14章 緊急事態管理時のためのリソース管理システムの標準化に向けて
オーストラリアと米国における現在の緊急事態管理実例とフレームワーク
リソース管理のためのソフトウェア支援における技術状況
将来のリソース管理システムに向けた要求
EDXLリソースメッセージング
標準に基づくリソース管理システムに向けて
課題と将来の方向性
結論
参考文献

第15章 環境リスク管理情報システムの要件とオープンアーキテクチャ
リスク管理 対 緊急事態管理
構想
統合における課題
大規模相互運用可能なアーキテクチャの要件
ユーザ要求の分析
設計アプローチ
最新の標準化動向:OGC、W3C、OASIS
ORCHESTRAアーキテクチャの要素
パイロットアプリケーション
過去の教訓と新たなチャンス
まとめと今後の展望
付録15.1 略語一覧
参考文献

第16章 緊急事態対応情報システム ─ 過去、現在、そして未来
政府の透明性や倫理的なスタンスの欠如
緊急事態対策の中の情報過多
協力、協調、および/または協力
マドリングスルー(MUDDLING THROUGH)
ソーシャルコンピューティング、地域社会参加および市民参加
情報の品質の問題
リスク分析、ステークホルダー分析、およびコミュニティシステム
結論
参考文献

編者および著者紹介
訳者紹介
索 引

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著者紹介

秋冨 慎司(あきとみ しんじ)第2章
現、岩手医科大学 救急医学講座 助教。
兵庫医科大学医学部卒業。
専門は救急、危機管理。

池田 佳代(いけだ かよ)第12章
現、清泉女学院大学人間学部心理コミュニケー
ション学科准教授。
電気通信大学大学院電気通信学研究科人間コミュニケーション学専攻博士後期課程修了。
博士(学術)。
専門は社会情報学

石井 健太郎(いしい けんたろう)第2、7章
現、東京大学大学院 総合文化研究科特任研究員。
慶應義塾大学大学院理工学研究科博士課程所定単位取得退学 博士(工学)。
専門はインタラクティブシステム。ユーザインタフェース。

井上 都之(いのうえ さとし)第6章
現、岩手県立大学准教授。
長野県看護大学大学院卒業。
専門は感染制御、感染看護、基礎看護。

大場 みち子(おおば みちこ)第8章
現、公立はこだて未来大学教授。
大阪大学大学院工学研究科博士後期課程。博士(工学)。
専門は情報システム、ソフトウェア工学。

後藤 裕介(ごとう ゆうすけ)第10章
現、岩手県立大学准教授。
早稲田大学大学院 理工学研究科 博士後期課程経
営システム工学専攻。博士(工学)早稲田大学。
専門はシステム科学、社会シミュレーション

齊藤 義仰(さいとう よしあ)第9、13章
現、岩手県立大学准教授。
静岡大学大学院理工学研究科博士後期課程修了、博士(情報学)。

佐々木 淳(ささき じゅん)第14章
現、岩手県立大学教授。
東北大学、博士(工学)。
専門は情報システム構築法、地域情報システム、医療福祉情報システム。

高木 正則(たかぎ まさのり)第15章
現、岩手県立大学准教授。
創価大学大学院工学研究科博士(工学)。
専門は教育工学。

田中 優子(たなか ゆうこ)第4章
現、情報・システム研究機構 国立情報学研究所特任研究員。
京都大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。
博士(教育学)。
専門は認知科学、教育心理学

西岡 大(にしおか だい)第11、13章
現、岩手県立大学助教。
岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科ソフトウェア情報学専攻博士後期課程修了。
博士(ソフトウェア情報学)。
専門は情報科学、セキュリティ技術についての安心、トラスト。

沼田 秀穂(ぬまた ひでほ)第16章
現、事業創造大学院大学教授。
電気通信大学大学院 電気通信学研究科人間コミュニケーション学専攻博士後期課程修了。
博士(工学)。
専門は社会情報学。

村田 嘉利(むらた よしとし)第5章
現、岩手県立大学教授。
静岡大学大学院理工学研究科博士後期課程修了。
博士(工学)。
専門は設計科学。

村山 優子(むらやま ゆうこ)監訳、第1章
現、岩手県立大学教授。
ロンドン大学大学院、Ph.D.
専門はインターネット、ネットワークセキュリティ、トラスト、災害情報処理。

湯淺 墾道(ゆあさ はるみち)第3章
現、情報セキュリティ大学院大学教授。
慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程退学。
専門は情報法。

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