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数学

大学数学のお作法と無作法

著者 藤原 毅夫

著者紹介

お作法が分かれば数学は分かる!

数学はなぜ難しいのか? それは「お作法」が分かっていないからだ! 本書は、学部1年生レベルを持ち、数学が不得意で勉強する意味が分からないという方々のための“お作法本”である。その対極にある「無作法」も紹介し、読者を数学の世界へと誘っていく。

電子書籍¥2,750 小売希望価格(税込)

紙の書籍¥2,750定価(税込)

基本情報

発売日 2019年6月29日
本体価格 2,500円
ページ数 256 ページ ※印刷物
サイズ A5
ISBN 9784764905924
ジャンル 数学
タグ 教養
電子書籍形式 固定型

主要目次

第1章 始めに
1.1 初めの始めに
1.1.1 数学の学習
1.1.2 数学の分野
1.2 この本の目的
1.2.1 誰のために
1.2.2 何のために

第2章 言葉の重要性
2.1 論理的な記述のための文章と情緒的な記述のための文章
2.1.1 三つの日本語文章
2.1.2 大学での日本語教育
2.2 技術表現あるいは明晰な文章
2.2.1 技術表現の文章
2.2.2 技術表現の全体構造
2.3 言葉は生き方を決める
2.3.1 生活の中での考え方
2.3.2 国語教育の問題———論理国語と文学国語
2.3.3 グローバル化の中で———母国語で科学をする国
2.4 数式・数学は言語であり,論理である

第3章 数学が分かるとはどういうことか:無作法の勧め
3.1 数学の諸相
3.1.1 数学とはそもそも何か
3.1.2 数学という言葉
3.1.3 数学が分かるということ
3.2 基本定理とその証明
3.2.1 数
3.2.2 実数
3.2.3 数列
3.2.4 級数
3.2.5 関数
3.2.6 微分
3.2.7 積分(リーマン積分)
3.2.8 常微分方程式
3.2.9 偏微分
3.2.10 偏微分方程式
3.2.11 フーリエ級数
3.2.12 複素数と複素関数

第4章 数学のお作法
4.1 なぜ数学には「お作法」が必要なのか
4.1.1 論理を記述するための言語
4.1.2 演繹と帰納
4.2 証明のいろいろ
4.2.1 証明とは
4.2.2 背理法
4.2.3 数学的帰納法
4.2.4 必要条件,十分条件,必要十分条件,同値
4.2.5 対偶論法
4.2.6 反例
4.2.7 有名な論証
4.3 基本概念について-1.基本概念の拡張,一般化
4.3.1 関数と写像
4.3.2 距離空間と写像の連続性
4.3.3 集合と連続写像
4.3.4 集合と位相
4.4 基本概念について-2.新しい概念
4.4.1 線形空間,線形写像
4.4.2 解の存在と一意性

第5章 無作法のお作法:近似,精度,誤差,アルゴリズム
5.1 近似
5.1.1 数の近似,関数の近似
5.1.2 近似解法
5.1.3 線形近似
5.2 値の精度
5.2.1 有効数字
5.2.2 浮動小数点演算と数値の精度
5.3 誤差
5.3.1 計算における誤差
5.4 アルゴリズム
5.4.1 そろばん(算盤,十露盤)
5.4.2 ホーナー法
5.4.3 ユークリッドの互除法
5.4.4 大規模線形計算
5.4.5 線形および非線形計画問題
5.4.6 計算複雑度と多項式時間アルゴリズム
5.4.7 20世紀の重要アルゴリズム問題

第6章 統計現象の取扱い:バラついた値と集団の性質
6.1 統計の基礎
6.1.1 確率とは何か
6.1.2 分布
6.1.3 大数の法則と中心極限定理
6.2 推定と検定
6.2.1 推定
6.2.2 仮説検定
6.3 回帰分析
6.4 ベイズ統計
6.4.1 ベイズ統計の考え方
6.4.2 ベイズ統計と機械学習,ビッグデータ

第7章 歴史から学ぶ証明の重要性
7.1 数学の考え方
7.1.1 近代科学の系譜
7.1.2 インドおよびイスラムの数学
7.1.3 数学者はどのようにものを考えたか
7.1.4 数学と他の科学
7.2 日本伝統の数学———和算はなぜ衰退したか
7.2.1 和算の成り立ち
7.2.2 江戸時代の和算は世界の最高水準にあった
7.2.3 和算の欠点
7.2.4 世界の近代化に取り残された和算
7.3 2次方程式とその解の公式の後ろにあるもの
7.3.1 2次方程式の歴史———2次方程式が教える世界史:虚数の世界
7.3.2 3次方程式の先にガロアが見たもの:群の世界
7.3.3 2次方程式の歴史が教えるもの
7.4 証明を身近に———もっとユークリッド幾何学と複素数を中等教育に

第8章 数学は役に立たない?
8.1 本当に2次方程式は人生になくてもよいのか
8.1.1 なぜ人は2次方程式を役に立たないというのか?
8.1.2 数学を学ぶ理由———非数学者にとって
8.2 いま,数学は世界の隅々にまで入り込んでいる
8.2.1 数学は役に立つ.しかし役に立つばかりが能ではない:文化とは何か

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著者紹介

藤原 毅夫(ふじわら たけお)
1944 年仙台に生まれる.
父親の勤務の都合で日本全国いくつかの都市での生活を経験,10 歳以降は東京で育つ.
東京大学工学部助手,筑波大学物質工学系助教授,東京大学工学部助教授,教授,東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻教授を経て,
2007年 3月定年により退職.
2007-2017年東京大学大学総合教育研究センター特任教授,
2017 年より東京大学数理科学研究科特任教授(数理・情報教育センター研究センター).
工学博士,東京大学名誉教授.
主な著書:
『常微分方程式』(東京大学出版会,1981)
『線形代数』(岩波書店,1996)
『力学』(数理工学社,2016)
『物性物理学』(数理工学社,2009)
『固体電子構造論』(内田老鶴圃,2015)
『演習量子力学 [ 新訂版 ](サイエンス社,2002)
『複素関数論 I,II』(丸善出版,2013,2014)ほか.

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