近代科学社

書籍検索
ジャンル選択

『未来都市の社会資本』
著者 川口和英スペシャルインタビュー

 



Interviewee

川口 和英(かわぐち かずひで)
1984 早稲田大学理工学部卒業
1986 早稲田大学大学院理工学研究科建設工学専攻修了
1986~1997 三菱総合研究所 研究員
1997~ 鎌倉女子大学 准教授
2008~ 武蔵工業大学新学部開設準備室 准教授
2009~ 東京都市大学都市生活学部 准教授
2014~ 東京都市大学都市生活学部 教授
2015~2017 東京都市大学大学院環境情報学研究科 都市生活学専攻主任
2018~2019 東京都市大学総合研究所未来都市研究機構長
2015~2021 東京都市大学都市生活学部 学部長
2014~ 東京都市大学大学院環境情報学研究科 教授
博士(工学)
技術士(建設部門:都市及び地方計画)
APECエンジニア
専門分野:集客学・都市開発・地域計画・建築計画・住居学・地球環境問題・社会資本論 他


著者の川口 和英先生に著書の特徴や教科書の使い方のポイントなどをお伺いしました。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Q.  どのようなことを意識して『未来都市の社会資本』(以下:本書)をご執筆されましたか。
川口ー新しい時代の社会資本のあるべき姿、未来の都市のあり方について、わかりやすく、そしてなるべく深く学べるようにを、めざして執筆しました。本書では、21世紀における未来の国土形成のための地域づくり、地方創生時代における「未来都市の社会資本」のあり方を改めて考え、その方向性をわかりやすく解説することを意識しています。
社会資本を題材に、その整備のための方策、新しい手法の導入方策、効率化について未来像を検討します。また、東日本大震災やその後の自然災害からの復興を視野に置き、そのために必要となる公共事業のあり方、今後再生可能エネルギーを考慮した環境共生型都市「スマートシティ」等、新しい概念についても学習することができるように、わかりやすい説明をめざしています。

Q. 教科書として使いやすいように工夫した点を教えてください。
川口ー全体をとおして、社会資本や公共事業の捉え方が、わかりやすく、正確に理解できるようにすることを意識しました。適宜、図、写真などを用い、ときにトピックスなども加えながら読者にイメージがわきやすいように工夫をしました。社会学、社会科学、工学、いずれの分野からもアプローチして、「未来の都市」を考えるための知識や考え方、ヒントが理解できるよう説明を行っています。
 社会資本に関する人々の関心が高まったのは1990年代から2000年代の初頭、バブル経済の崩壊、旧民主党政権「コンクリートから人へ」に象徴される、社会資本や公共事業は無駄なのではないかと意見が登場しました。その後、20111年東日本大震災、原子力発電所事故により改めて防災・減災意識の高まり、東京オリンピック2020、安全性と環境との調和など、社会の状況が大きく変化したなか、2026年の今、改めて未来の都市のなかイノベーションが進むなか、未来の社会資本がどうあるべきかを、改めて考えるべき時代となりました。国内外の最新情報も豊富に盛り込みながら、社会資本をとりまく様々な考え方、課題、未来を考えるヒントなどを記述しました。

Q. 教える立場での本書の使い方のポイントなどがあれば教えてください。
川口ー新しい時代の社会資本のあるべき姿、未来の都市のあり方についてわかりやすく、興味をもって学べるということがポイントです。さらにそれを深く学べることを意識しています。歴史的な経緯や、専門性の知識のみならず、最近起こった災害や、都市的な課題について、考察するということが大事かと思います。また最新の図表や写真を豊富に掲載していますので、より内容を立体的に学ぶことができます。
 例えば、東日本大震災からの復興では、宮城県宮古市姉吉地区の「大津波記念碑」や「大川小学校の悲劇」など、具体的な事例も入れて防災を考察しています。環境分野では渋谷川の環境再生など新しい事例もふんだんに取り入れて説明をしています。
これらの題材をもとに、未来の都市はどうあるべきかなど、総合学習的な学びのための教科書、実用書としても使用できます。都市計画学、土木工学、公共経済学、など、工学や社会科学系に限らず、経営学やな分野での教科書としてご利用いただけるとよいと思います。7章で構成され、各章を2回、計14回程度のスタンダードの授業回数で運用することなどができます。

Q. 自習など自学で使うときの本書の使い方のポイントなどがあれば教えてください。
川口ー第1章 地方創生時代の公共事業の役割、第2章 地方財政制度と公共事業、第3章 東日本大震災からの復興、第4章 公共事業の効率化、第5章 環境と共生した未来都市の構築、第6章 公共事業と評価、第7章 地域経済の活性化と自立的な展開で構成されています。順番に学んでいただくことで、体系的に学ぶことができますが、関心のある部分、必要となるテーマをピックアップしていただいても各章で一定程度完結していますので理解できます。社会費本と未来社会の関係について学習することができるでしょう。

Q. インタビューをお読みいただいた皆様へメッセージをお願いします。
川口ー本書「未来都市の社会資本」では、新しい時代の社会資本のあるべき姿、未来の都市のあり方について、環境の再生と公共事業・国土強靱化・スマートシティーなど、わかりやすく、深く学べるよう、学生のみなさん、また社会人の方々、多くの方に読んでいただけるとうれしいです。
第1章では変化する社会資本整備の役割について各公共事業分野の特徴や概要、その歴史や公共事業を取り巻く環境、特性などについて解説を行いました。第2章では国と地方自治体の財政がひっ迫している状況の中、公共事業のあり方、自立的な公共システムの必要性、財政赤字の実態、第3章では東日本大震災をはじめとした防災、減災などからの復興、国土強靱化対策、政府の失敗や情報の不足に基づくこれまでの問題点、課題点、コーポレートガバナンスなどの新しい概念についても解説しています。また第4章では、公共事業の効率化の観点から、国土形成のありかた、ストック効果とフロー効果、マンデルフレミングの法則などについて解説、第5章では環境と共生したスマートシティの構築、未来にむけたスマートシティなど、第6章では公共事業のもたらす地域への影響について解説しました。第7章においては地域経済の活性化と自立的な展開の可能性として、地域経済の自立の必要性、少子高齢化社会での公共事業、また地域活性化の方策、国と地方の適切な役割分担、新しい公共事業のあり方などの観点から課題の検討を行いました。
川口先生お忙しい中、誠にありがとうございました。
『未来都市の社会資本』の献本のお申込みはこちらから。

インタビューの中で出てきた書籍情報はこちら!

未来都市の社会資本

本書では、21世紀における未来の国土形成のための地域づくり、地方創生時代における「未来都市の社会資本」のあり方を改めて考え、その方向性をわかりやすく解説することを目的とします。社会資本を題材にとりながら、その整備のための方策、新しい手法の導入方策、効率化について未来像を検討します。また、東日本大震災やその後の自然災害からの復興を視野に置き、そのために必要となる公共事業のあり方、今後再生可能エネルギーを考慮した環境共生型都市「スマートシティ」等、新しい概念についても考察します。


著者のスペシャルインタビューはこちら

【株式会社 近代科学社】

株式会社近代科学社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大塚浩昭)は、1959年創立。
数学・数理科学・情報科学・情報工学を基軸とする学術専門書や、理工学系の大学向け教科書等、理工学専門分野を広くカバーする出版事業を展開しています。自然科学の基礎的な知識に留まらず、その高度な活用が要求される現代のニーズに応えるべく、古典から最新の学際分野まで幅広く扱っています。また、主要学会・協会や著名研究機関と連携し、世界標準となる学問レベルを追求しています。