Interviewee
浅井 宗海1984 年 東京理科大学大学院理工学研究科情報科学専攻修了
現在 中央学院大学商学部 教授
譚 奕飛博士(経済学)
2008 年 名古屋大学大学院経済学研究科産業経営システム専攻博士後期課程修了
現在 中央学院大学商学部 教授
山口 誠一博士(理学)
2011 年 大阪大学大学院理学研究科数学専攻博士後期課程修了
現在 中央学院大学法学部 講師
浅井 拓海技術士(情報工学)
2009 年 NTT コミュニケーションズ株式会社入社
現在 株式会社NTT ドコモ オンラインCX 部 担当課長、IPA 情報処理技術者試験委員
著者の浅井 宗海 先生、譚 奕飛 先生、山口 誠一 先生、浅井 拓海 先生に著書の特徴や教科書の使い方のポイントなどをお伺いしました。
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Q. どのようなことを意識して『ファーストステップ AI・データサイエンスの基礎』(以下:本書)をご執筆されましたか。
生成AIを含め、AI技術とその利用が急速に進んでいます。そのため、全ての大学・高専生が習得すべきという政府のAI戦略に関する提言を受け、「数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)」というモデルカリキュラムが作られました。ただ、この分野は、ややもすると技術寄りの説明になってしまい、特に、文系学部の学生の皆さんとっては、難しく思われるかもしれません。そこで、文系学部の学生の皆さんを含め、分かりやすく学べるテキストを作りたいという思いで作成いたしました。また、上記のモデルカリキュラムは、2024年2月に改訂されたので、その内容にも準拠し、データ分析、統計学、生成AIを含めた機械学習に関する内容をバランス良く配置し、分かりやすい解説を心がけました。
Q. 教科書として使いやすいように工夫した点を教えてください。
本書は大学や高等専門学校などの1セメスター(半期)の授業回数を意識した構成となっており、1章分の内容も1回の授業で学べるように、各章の分量をなるべく均等にしています。そして、各章の構成は、序論、本論、結論といった1コマの授業展開に合わせ、それぞれに必要な情報を盛り込みました。すなわち、章の始めに、教師と学生の対話を通して,ここでの学習の重要性を伝え、かつ、動機づけを行っています。新たな知識の伝達では、内容(What)を羅列的に示すのではなく、それがなぜ必要なのか(Why)といった説明を加え,納得できる解説になるように配慮しました。そして、章の終わりでは、重要点をまとめた内容と、学習目標が達成できたかを確認するための基礎的な練習問題を用意しました。
Q. 教える立場での本書の使い方のポイントなどがあれば教えてください。
教科書としての工夫でも記載いたしましたが、各章の分量をなるべく均等にし、また、章の構成を授業の序論、本論、結論という授業展開に合わせており、授業での扱いやすさを意識した内容になっています。特に、練習問題は、そのまま、授業最後の演習や小テストとして利用して頂けるものになっています。また、モデルカリキュラムではグループワークの重要性が示されており、本書でも、演習問題の最後にActive Learningの欄を設け、グループワークを含むアクティブラーニングの課題を掲載しています。
Q. 自習など自学で使うときの本書の使い方のポイントなどがあれば教えてください。
本文の説明が長くなりすぎるとポイントがぼけてしまうので、できるだけ説明内容は重要点にしぼり、分かりやすい内容になるように配慮しました。そのため、発展的な内容や補足的な内容は脚注とTipsで解説しました。また、自学自習においても無理なく学習いただけるように、技術的な内容については、具体的な事例と図解を中心に、分かりやすい解説を心がけました。
Q. インタビューをお読みいただいた皆様へメッセージをお願いします。
AI利用の必要性は、言うまでもなく、現代社会において不可欠なものになってきました。しかし、始めて学ぶ方々にとっては、専門的な用語や統計的な考え方が多く、敷居が高く感じられる分野でもあります。したがって、その実践的な内容を学ぶためには、まずは、基本となる知識を確実に身に付けることのできる、最初の一歩となる書籍が必要であるという思いで、本書を執筆いたしました。本書によって、AIとデータサイエンスに興味をもっていただき、これらを使うにはどんな知識が必要か、また、どんなところで活用できるのかを学んでいただき、将来、これらの技術をビジネスに活かしていただく場面で、本書での学びが役立ちますことを切望しております。
浅井先生、譚先生、山口先生、浅井先生、お忙しい中、誠にありがとうございました。
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【株式会社 近代科学社】
株式会社近代科学社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大塚浩昭)は、1959年創立。
数学・数理科学・情報科学・情報工学を基軸とする学術専門書や、理工学系の大学向け教科書等、理工学専門分野を広くカバーする出版事業を展開しています。自然科学の基礎的な知識に留まらず、その高度な活用が要求される現代のニーズに応えるべく、古典から最新の学際分野まで幅広く扱っています。また、主要学会・協会や著名研究機関と連携し、世界標準となる学問レベルを追求しています。