Interviewee
秋吉 政徳1987年3月京都大学大学院工学研究科数理工学専攻修了、同年4月三菱電機中央研究所、2005年4月大阪大学大学院情報科学研究科、2012年4月広島工業大学情報学部を経て、2014年4月神奈川大学工学部教授。2023年4月同情報学部教授、情報学部長。1996年3月京都大学より博士(工学)を授与。電気学会フェロー。
著者の秋吉 政徳 先生に著書の特徴や教科書の使い方のポイントなどをお伺いしました。
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Q. どのようなことを意識して『システム数理の学び』(以下:本書)をご執筆されましたか。
秋吉ー概論としての俯瞰図が得られるようにとできるだけやさしい例をもとに説明しました。そのために数学的な詳細や厳密さを示すよりは、図や具体的データによる導出を中心にして執筆しました。
Q. 教科書として使いやすいように工夫した点を教えてください。
秋吉ー14章構成にして、大学での半期講義回数が13回から15回でも活用しやすいようにしました。
Q. 教える立場での本書の使い方のポイントなどがあれば教えてください。
秋吉ー数理モデリングでは対象問題への切り口を見いだすことが大切であるということを強調いただき、その結果として日常的な事象の見え方が変わってくるという点を本書以外の例も学生と一緒に考えていただく使い方をお薦めします。
Q. 自習など自学で使うときの本書の使い方のポイントなどがあれば教えてください。
秋吉ーまずは一通り目を通していただいた上で、理解が不十分な章や興味のある章をChatGPTやその他の資料などを活用して肉付けする自習方法をお薦めします。
Q. インタビューをお読みいただいた皆様へメッセージをお願いします。
秋吉ーシステム数理という聞き慣れない用語かもしれませんが、これからの社会を理解する視点や考え方としてますます重要な内容となってきていますので、是非とも本書による概論としての俯瞰図を得たのちに各章に対応する専門的内容に踏み込まれることが、皆さまにとっての学びの深化につながると確信しております。
【株式会社 近代科学社】
株式会社近代科学社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大塚浩昭)は、1959年創立。
数学・数理科学・情報科学・情報工学を基軸とする学術専門書や、理工学系の大学向け教科書等、理工学専門分野を広くカバーする出版事業を展開しています。自然科学の基礎的な知識に留まらず、その高度な活用が要求される現代のニーズに応えるべく、古典から最新の学際分野まで幅広く扱っています。また、主要学会・協会や著名研究機関と連携し、世界標準となる学問レベルを追求しています。