近代科学社

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「P値」 正しく使えていますか?
統計スポットライト・シリーズ3
『P値―その正しい理解と適用』 発行

 

2018年11月29日
株式会社近代科学社

 

 インプレスグループで理工学分野の専門書出版事業を手掛ける株式会社近代科学社は、2018年11月28日に、統計スポットライト・シリーズ3 『P値(ピーチ)―その正しい理解と適用』(著者:柳川 堯)を発行いたしました。

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●書誌情報
【シリーズ名】 統計スポットライト・シリーズ3
【書名】 P値 ― その正しい理解と適用
【著者名】 柳川 堯 (やながわ たかし)
【編集幹事】 島谷健一郎・宮岡悦良
【仕様】 A5判・並製・モノクロ・本文132頁
【本体価格】 2,200円(税込2,376円)
【ISBN】 978-4-7649-0583-2 C3341
【商品URL】 https://www.kindaikagaku.co.jp/math/kd0583.htm

 

●内容紹介
 今日、P値(ピーチとよむ)は統計を利用する分野で日常的に使われています。しかし、その使用には間違った理解のもとに誤用されるケースが増えています。特に医系分野では、データの不確実性に直面したときにP値という推論ツールにたよらざるをえない状況が多くありますが、P値を解説するテキストが無きに等しい状況となっています。また、数理統計学の世界でも、P値は有意確率という名前で汎用されていますが、1行程度の数式で定義されることが多く、詳細な解説を行われることはまれです。
 このような状況のなか、2016年にアメリカ統計学会が、P値の適正な使用を呼びかけた声明を出し、国内でも2017年度統計関連学会連合大会においてP値の誤用や誤解に対して警鐘を鳴らしています。 
P値の誤用を防ぐには、まず「誤用や誤解はどうして起こるのか?」を認識すること、そしてそのうえで「データの算出や扱い方」について学ぶことが重要となります。
 本書は、P値を基本から正しく理解し、適用するための解説書として最適の一冊です。

●著者紹介

柳川 堯(やながわたかし)
1966 年 九州大学大学院理学研究科修士課程(統計数学)修了
1970 年 同校理学博士
1975 年 オーストラリアCSIRO 上級研究員
1977 年 米国立がん研究所客員研究員
1981 年 米国立環境健康科学研究所客員研究員
1982 年 ノースカロライナ大学準教授
1992 年 九州大学教授(理学部)
1993 年 国際統計教育センター(インド)客員教授
1996 年 九州大学大学院(数理学研究院)教授
2004 年 久留米大学バイオ統計センター所長,教授を歴任し現在,客員教授
日本計量生物学会賞(2005年)
日本統計学会賞(2007年)
日本計量生物学会功労賞(2011年)

主要著書
『離散多変量データの解析』(共立出版,1986)
『統計数学』(近代科学社,1990)
『環境と健康データ:リスク評価のデータサイエンス』(共立出版,2002)
『統計科学の最前線』(九州大学出版会,2003)
『バイオ統計基礎:医薬統計入門』(共著,近代科学社, 2010)
『サバイバルデータの解析:生存時間とイベントヒストリーデータ』(共著,近代科学社,2010)
『看護・リハビリ・福祉のための統計学』(共著,近代科学社,2011)
『医療・臨床データチュートリアル』(近代科学社, 2014)
『観察データの多変量解析』(近代科学社,2016)

 

 


●目次

1 基本的事項
  1.1 データの不確実性
  1.2 データのバラツキと確率法則
  1.3 正規分布
  1.4 サンプルサイズとバラツキ
  1.5 モデルによる真の分布の近似
2 P値とは?
  2.1 P値とは何か
  2.2 学術論文に見るP値:3つの例
3 P値の誤用
  3.1 サンプルサイズを無視してP値を有意水準5%で判定する誤り
  3.2 P値のバラツキを無視して有意水準5%でP値を評価する誤り
  3.3 医師国家試験の誤出題
4 P値の算出
  4.1 P値の算出
  4.2 統計ソフトからアウトプットされるP値
5 統計的推論と統計的判定:真の検定を求めて
  5.1 推論と判定
  5.2 P値と統計的検定
  5.3 Neyman-Pearson 流検定に対するFisherの批判
  5.4 真の統計的検定:現代版
  5.5 P値と予測値:ベイズ的観点
6 サンプルサイズの決定
  6.1 統計的検定の検出力
  6.2 サンプルサイズの決定:連続型データ
  6.3 サンプルサイズの決定:2値データ
  6.4 データが計数値で与えられる場合
7 P値と検出力
  7.1 P値のシミュレーション
  7.2 P値はサンプルサイズが統計的根拠に基づいて決定されていない場合の推論に有効である
  7.3 P値に基づく判定の再現性を保証するサンプルサイズ
8 P値の統合:メタアナリシス
  8.1 問題の提起
  8.2 必要な基礎知識
  8.3 統合P値: 各試験のデータが手に入る場合
  8.4 P値の統合:各試験のデータが手に入らない場合
9 検定の多重性調整P値
  9.1 検定の多重性
  9.2 多重性調整P値
  9.3 ホルム法による多重性調整P値


【株式会社 近代科学社】
株式会社近代科学社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:井芹昌信)は、1959年創立。
数学・数理科学・情報科学・情報工学を基軸とする学術専門書や、理工学系の大学向け教科書等、理工学専門分野を広くカバーする出版事業を展開しています。自然科学の基礎的な知識にとどまらず、その高度な活用が要求される現代のニーズに応えるべく、古典から最新の学際分野まで幅広く扱っています。また、主要学会・協会や著名研究機関と連携し、世界標準となる学問レベルを追求しています。

【インプレスグループ】
株式会社インプレスホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役:唐島夏生、証券コード:東証1部9479)を持株会社とするメディアグループ。「IT」「音楽」「デザイン」「山岳・自然」「旅・鉄道」「学術・理工学」を主要テーマに専門性の高いメデイア&サービスおよびソリューション事業を展開しています。さらに、コンテンツビジネスのプラットフォーム開発・運営も手がけています。

【お問い合わせ先】
株式会社近代科学社  出版局
TEL:03-3260-6161  電子メール: reader@kindaikagaku.co.jp

 
 
 

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