情報
プロジェクション・サイエンス心と身体を世界につなぐ第三世代の認知科学
最新の認知科学 プロジェクション・サイエンス!
認知科学は第一世代:記号操作(1970~1990)、第二世代:身体性(1990~2010)の研究を辿り、それらの盲点をカバーしたプロジェクション・サイエンス研究が第三世代として展開され始めている。本書は学術誌『認知科学』のプロジェクション・サイエンス特集に大幅加筆し、再編集したものである。
人は世界から情報を受容し、それを世界へ投射=プロジェクションすることで独自の意味世界を構築している。この作用によって愛着、信仰、幻覚、フェティシズムなど人固有の心理現象が生まれる。心理学だけでなくAIやVRなどの情報科学、社会学や経営学分野の方々にも強く関連する研究といえる。本書では様々な場面における心と世界の関わりを詳細に解説している。
※本書は学術誌『認知科学』(Vol. 26 No. 1 2019年3月)特集『特集−プロジェクション科学』の内容に大幅加筆し、書き下ろし原稿を加えて再編集されたものである。
電子書籍¥3,520 小売希望価格(税込)
紙の書籍¥3,520定価(税込)
基本情報
| 発売日 | 2020年9月17日 |
|---|---|
| 本体価格 | 3,200円 |
| ページ数 | 256 ページ ※印刷物 |
| サイズ | A5 |
| ISBN | 9784764906211 |
| ジャンル | 情報 |
| タグ | 情報科学, 教科書 |
| 電子書籍形式 | 固定型 |
主要目次
1章 プロジェクション・サイエンスの目指すもの
鈴木宏昭
1.1 はじめに
1.2 プロジェクションの必要性
1.3 プロジェクションの基本フレームワーク
1.4 プロジェクションの身体的基盤
1.5 プロジェクションのメカニズム
1.6 まとめと可能な反論
1.7 プロジェクション・サイエンスの構築に向けて
2章 ポスト身体性認知としてのプロジェクション概念
田中彰吾
2.1 身体性認知とは何だったのか
2.2 身体性認知を支える仮説
2.3 身体性認知の心の見方と既存アプローチの限界
2.4 プロジェクション概念を導入する
2.5 プロジェクションの含意
3章 プロジェクション・サイエンスから痛みのリハビリテーションへ
大住倫弘・信迫悟志・嶋田総太郎・森岡周
3.1 はじめに
3.2 多感覚によって修飾される痛みの経験
3.3 プロジェクション・サイエンスの視点から痛みのリハビリテーションを再考する
3.4 プロジェクション・サイエンスを応用した痛みのリハビリテーションに向けて
4章 バーチャルリアリティによる身体の異投射が知覚・認知・行動に与える影響とその活用
鳴海拓志
4.1 プロジェクションによって生じる心の機能
4.2 異投射のツールとしてのバーチャルリアリティ技術・人間拡張技術
4.3 異投射を活用したゴーストの理解から工学的アプローチによるゴーストの拡張へ
4.4 身体の異投射と身体所有感
4.5 身体の異投射の程度と知覚の変容
4.6 身体の異投射と認知・行動の変容
4.7 身体運動の変容が認知と行動に与える影響
4.8 ゴーストエンジニアリング:身体の異投射がもたらすゴースト変容の工学的活用
4.9 おわりに
5章 プロジェクション・サイエンスがHAI研究に理論的基盤を与える可能性
小野哲雄
5.1 はじめに
5.2 プロジェクション・サイエンスにおける「投射」の分類
5.3 HAIにおける「異投射」:ITACOシステム
5.4 HAIにおける「虚投射」:身体投射システムと「サードマン現象」
5.5 「部屋」への投射:ITACO on the Roomと「事故物件」
5.6 プロジェクション・サイエンスはHAI研究に理論的な基盤を与えうるか?
6章 社会的な存在 ― 他者 ― を投射する
中田龍三郎・川合伸幸
6.1 はじめに
6.2 虚投射:誰もいないのに他者が投射される
6.3 異投射:異なる存在に特定の他者を投射する
6.4 人工物に他者を投射する
6.5 他者の異投射により心的感覚が変化する
6.6 “誰か”を投射する
6.7 “だれか”を投射することで食の社会的促進が生じる
6.8 まとめ
7章 魔術的な心からみえる虚投射・異投射の世界
外山紀子
7.1 内在的正義
7.2 死後の世界
7.3 セレブリティ伝染と汚染
7.4 プロジェクション・サイエンスの発展に向けて
8章 共有される異投射と虚投射:腐女子の二次創作,科学理論,モノマネを通じて
久保(川合)南海子
8.1 物語の派生とプロジェクション
8.2 腐女子の二次創作から考える二つのこと
8.3 物語の派生に関わる異投射と虚投射のメカニズム
8.4 投射を共有するコミュニティ
8.5 異投射や虚投射が共有されるダイナミズム
8.6 投射の共有で認識世界は豊かになる
8.7 コミュニティなしに共有される投射
8.8 おわりに
8.9 付録:腐女子の妄想内容の例「恋愛関係にあるアンパンマンとばいきんまん」
特別寄稿 開眼手術後における視・運動と定位活動
望月登志子・鳥居修晃
「まえがき」薬師神玲子
S.1 まえがき:視覚におけるプロジェクションの問題と開眼手術後の視覚
S.2 Part 1: 問題の発端と展開
S.3 色彩の知覚
S.4 図領域の知覚:有無と方向の弁別
S.5 2次元図形の形態弁別
S.6 概要と考察
S.7 Part 2: 開眼手術後における視対象の知覚と定位
S.7.1 定位活動
S.7.2 開眼手術後の形態識別と定位 — 開眼者KTの場合
S.7.3 平面図形の形態知覚と定位 — 開眼者KTの場合
S.7.4 開眼手術後における鏡映像の定位と認知 — 開眼者MOの場合
鈴木宏昭
1.1 はじめに
1.2 プロジェクションの必要性
1.3 プロジェクションの基本フレームワーク
1.4 プロジェクションの身体的基盤
1.5 プロジェクションのメカニズム
1.6 まとめと可能な反論
1.7 プロジェクション・サイエンスの構築に向けて
2章 ポスト身体性認知としてのプロジェクション概念
田中彰吾
2.1 身体性認知とは何だったのか
2.2 身体性認知を支える仮説
2.3 身体性認知の心の見方と既存アプローチの限界
2.4 プロジェクション概念を導入する
2.5 プロジェクションの含意
3章 プロジェクション・サイエンスから痛みのリハビリテーションへ
大住倫弘・信迫悟志・嶋田総太郎・森岡周
3.1 はじめに
3.2 多感覚によって修飾される痛みの経験
3.3 プロジェクション・サイエンスの視点から痛みのリハビリテーションを再考する
3.4 プロジェクション・サイエンスを応用した痛みのリハビリテーションに向けて
4章 バーチャルリアリティによる身体の異投射が知覚・認知・行動に与える影響とその活用
鳴海拓志
4.1 プロジェクションによって生じる心の機能
4.2 異投射のツールとしてのバーチャルリアリティ技術・人間拡張技術
4.3 異投射を活用したゴーストの理解から工学的アプローチによるゴーストの拡張へ
4.4 身体の異投射と身体所有感
4.5 身体の異投射の程度と知覚の変容
4.6 身体の異投射と認知・行動の変容
4.7 身体運動の変容が認知と行動に与える影響
4.8 ゴーストエンジニアリング:身体の異投射がもたらすゴースト変容の工学的活用
4.9 おわりに
5章 プロジェクション・サイエンスがHAI研究に理論的基盤を与える可能性
小野哲雄
5.1 はじめに
5.2 プロジェクション・サイエンスにおける「投射」の分類
5.3 HAIにおける「異投射」:ITACOシステム
5.4 HAIにおける「虚投射」:身体投射システムと「サードマン現象」
5.5 「部屋」への投射:ITACO on the Roomと「事故物件」
5.6 プロジェクション・サイエンスはHAI研究に理論的な基盤を与えうるか?
6章 社会的な存在 ― 他者 ― を投射する
中田龍三郎・川合伸幸
6.1 はじめに
6.2 虚投射:誰もいないのに他者が投射される
6.3 異投射:異なる存在に特定の他者を投射する
6.4 人工物に他者を投射する
6.5 他者の異投射により心的感覚が変化する
6.6 “誰か”を投射する
6.7 “だれか”を投射することで食の社会的促進が生じる
6.8 まとめ
7章 魔術的な心からみえる虚投射・異投射の世界
外山紀子
7.1 内在的正義
7.2 死後の世界
7.3 セレブリティ伝染と汚染
7.4 プロジェクション・サイエンスの発展に向けて
8章 共有される異投射と虚投射:腐女子の二次創作,科学理論,モノマネを通じて
久保(川合)南海子
8.1 物語の派生とプロジェクション
8.2 腐女子の二次創作から考える二つのこと
8.3 物語の派生に関わる異投射と虚投射のメカニズム
8.4 投射を共有するコミュニティ
8.5 異投射や虚投射が共有されるダイナミズム
8.6 投射の共有で認識世界は豊かになる
8.7 コミュニティなしに共有される投射
8.8 おわりに
8.9 付録:腐女子の妄想内容の例「恋愛関係にあるアンパンマンとばいきんまん」
特別寄稿 開眼手術後における視・運動と定位活動
望月登志子・鳥居修晃
「まえがき」薬師神玲子
S.1 まえがき:視覚におけるプロジェクションの問題と開眼手術後の視覚
S.2 Part 1: 問題の発端と展開
S.3 色彩の知覚
S.4 図領域の知覚:有無と方向の弁別
S.5 2次元図形の形態弁別
S.6 概要と考察
S.7 Part 2: 開眼手術後における視対象の知覚と定位
S.7.1 定位活動
S.7.2 開眼手術後の形態識別と定位 — 開眼者KTの場合
S.7.3 平面図形の形態知覚と定位 — 開眼者KTの場合
S.7.4 開眼手術後における鏡映像の定位と認知 — 開眼者MOの場合