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工学

水・水溶液系の物性

著者 田巻 繁
著者 松永 茂樹
著者 日下部 征信

著者紹介

本書は水および電解質水溶液について、物理学的ならびに化学的な考察に基づいた微視的観点から解明すると同時に、社会的ニーズの高い水の利用についての最新の成果を同様な観点に基づいて説明を試みたものです。読者対象としては、大学理工科系の専門課程の学生、大学院の修士・博士課程の院生、若き研究者、ならびに企業の研究員を念頭においています。
 物性物理学ならびに物理化学の観点に立ったとき、水・水溶液における最も重要な微視的要素の一つは水素結合の状態であり、それは温度変化や添加物(主として電解質)等によって、さらには印加する外場(電場や磁場あるいは電磁波)によって著しく変化することが知られています。
 著者らはこれらの実験結果の化学的描像を鮮明にすると共に、物理学分野でよく知られている分子論的熱力学や統計力学さらには輸送現象を理論的に適用し、また計算機シミュレーションによって解明し、多くの成果を得つつあります。これらの成果を、学問分野の世界だけでなく実社会に還元して貢献したいと願望しています。

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基本情報

発売日 2020年3月13日
本体価格 3,600円
ページ数 302 ページ ※印刷物
サイズ A5
ISBN 9784764960077
ジャンル 工学
タグ シミュレーション, 物理学, 近代科学社Digital
電子書籍形式 固定型

主要目次

第1章 微視的観点に基づいた水の科学
1.1 水の量子化学
1.2 水の分子論

第2章 水における動的性質、水の誘電率および液体理論
2.1 水における拡散係数
2.2 水における熱伝導度
2.3 水における粘性係数
2.4 水の誘電率
2.5 水の圧縮率:微視的観点
2.6 水および液体全般における重要な理論的手法

第3章 電解質水溶液(イオンと溶媒)
3.1 電解質水溶液についての歴史的推移
3.2 電解質水溶液の分子論的熱力学の一般論
3.3 食塩水の分子論的熱力学
3.4 電解質水溶液における理論の歴史的経緯

第4章 電解質水溶液における輸送現象と誘電現象
4.1 電解質水溶液の輸送現象I(イオンの電気伝導度)
4.2 電解質水溶液の輸送現象II(イオンの拡散係数)
4.3 電解質水溶液の輸送現象III(熱伝導度)
4.4 電解質水溶液の輸送現象IV(粘性係数)
4.5 電解質水溶液の誘電率

第5章 重水の物性と二元系水溶液の物性
5.1 重水の科学
5.2 二元系水溶液

第6章 水、水溶液系のMDシミュレーション
6.1 水のMDシミュレーション
6.2 電解質水溶液におけるMDシミュレーション

第7章 超臨界点近傍の水の挙動および新エネルギーへの応用
7.1 超臨界水とは
7.2 新エネルギーへの応用

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著者紹介

田巻 繁(たまき しげる)
1956年 新潟大学理学部化学科 卒業
1959年 東北大学大学院理学研究科修士課程物理学専攻 中退
    同年,東北大学金属材料研究所 助手
1968年 新潟大学理学部物理学科 助教授
1969年 理学博士(東北大学)
1970年9月から2ヶ年間 英国イーストアングリア大学 上級客員研究員
1977年 新潟大学理学部 教授
1977年12月から1ヵ年間 英国イーストアングリア大学 客員教授
1998年 新潟大学停年退職 新潟大学名誉教授
著書・翻訳
『イオン結晶:格子欠陥と不定比』,グリーンウッド(著),佐藤経郎・田巻 繁(訳),培風館,1974.
『溶融塩の物性』,アグネ技術センター,2013.

松永 茂樹(まつなが しげき)
1983年 新潟大学大学院理学研究科修了.博士(学術).
新潟県立高等学校教諭,長岡工業高等専門学校一般教育科助教授を経て,
2005年より長岡工業高等専門学校一般教育科教授.
この間2008年3月~2008年8月 国立高等専門学校機構在外研究員,英国Bath大学客員研究員.

日下部 征信(くさかべ まさのぶ)
新潟大学大学院自然科学研究科物質科学専攻博士課程修了.博士(理学).
新潟工科大学工学部助手,新潟工科大学工学部准教授を経て,2013年より新潟工科大学工学部教授.

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