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工学

事例で学ぶ 人を扱う工学研究の倫理その研究、大丈夫?

著者 福住 伸一
著者 西山 敏樹
著者 梶谷 勇
著者 北村 尊義

著者紹介

【工学系における人を扱う研究倫理について、具体例を示しながらわかりやすく解説!】

 製品開発のプロセスの中では、使う立場の「人」が何らかの形でテストや評価に参加し、その製品の使いやすさや品質、安全性などについての新たな知見を得る活動を行います。そこには「研究」と呼ぶべき要素があり、特に人を対象として扱う研究活動においては、人権やハラスメントなど対象者に与える影響について注意しながら実施する必要があります。
 現在、特に医学系を中心に急速に法規制類が整備されつつある反面、同じく人を扱う研究のなかでも、工学系や心理学系などの非医学系の関連領域においては混乱が生じてきています。本書は、「人」と「モノ」が関わる製品開発に既に携わっている人だけでなく、これから関連する研究を始める大学生や大学院生に読んでもらうことにより、このような状況の中であっても混乱に巻き込まれずに製品を評価する研究活動を実施し、よりよい製品開発に貢献いただくことを期待しています。

電子書籍¥1,980 小売希望価格(税込)

ペーパーバック(カバーなし)¥1,980小売希望価格(税込)

単行本(カバーあり)¥1,980小売希望価格(税込)

基本情報

発売日(POD) 2023年1月27日
発売日(カバー付単行本) 2023年8月11日
本体価格 1,800円
ページ数 124 ページ ※印刷物
サイズ A5
ISBN(POD) 9784764960480
ISBN
(カバー付単行本)
9784764906679
ジャンル 工学
タグ 教科書, 近代科学社Digital
電子書籍形式 リフロー型

主要目次

第1章 人を扱う研究・開発・実務と倫理
1.1 人を扱う研究・開発・実務とは?
1.2 人を扱う研究倫理の工学系領域への適用
1.3 人を扱う研究倫理の浸透に向けて
1.4 演習問題

第2章 人を扱う研究における倫理的課題
2.1 一般的な倫理事項
2.2 データ収集のための刺激・環境条件や対象等と考慮すべき倫理的事項
2.3 配慮すべき倫理事項の具体例
2.4 研究開発現場で生じる倫理的課題の具体例と指針
2.5 研究開発論文から見える倫理的課題
2.6 社会の中における研究と研究倫理の例―ロボット研究を例として―
2.7 演習問題

第3章 人を扱う研究倫理に関する取り組み
3.1 人を扱う研究・開発・実務に関する指針・法規制類の整備
3.2 対象者の権利の保護
3.3 安全への配慮
3.4 研究計画の審査
3.5 倫理審査に関するQ&A
3.6 演習問題

第4章 これからの研究倫理
4.1 研究スタイルの大きな変化
4.2 オンラインシステム活用の研究倫理申請のポイント
4.3 研究倫理申請書や同意説明書のチェックリスト
4.4 演習問題

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著者紹介

福住 伸一(ふくずみ しんいち)
国立研究開発法人理化学研究所革新知能統合研究センター 副チームリーダー
東京都立大学客員教授、公立千歳科学技術大学客員教授
1986年慶應義塾大大学院工学研究科修士課程修了。同年NEC入社。2018年4月より理化学研究所。
東京大学情報学環客員研究員。工学博士(慶応義塾大学)、認定人間工学専門家、NPO人間中心設計推進機構認定人間中心設計専門家。
科学技術の社会受容性の研究、ヒューマンインタフェースの心理学的・生理学的研究および人間中心設計プロセス関連の研究開発に従事。
日本人間工学会理事、人間工学専門家認定機構長、ヒューマンインタフェース学会理事・監事を歴任。
2008年より金沢工業大学感動デザイン研究所非常勤講師、
2010年より首都大学東京(現東京都立大学)大学院システムデザイン専攻非常勤講師、
2014年度はこだて未来大学客員教授。
ISO TC159(人間工学)/SC4(HCI)国内委員会主査及び国際エキスパート。
ISO/IEC JTC1/SC7(ソフトウェアエンジニアリング)Quality in Use 国際チーフエディタ。
2020年よりISO TC159/SC4-ISO/IEC JTC1/SC7 Joint Working Group28 (Common Industry Format for usability)共同議長。
2021年度経済産業省産業標準化事業経済産業大臣賞受賞。

西山 敏樹(にしやま としき)
東京都市大学都市生活学部・大学院環境情報学研究科准教授
博士(政策・メディア)
1976年東京生まれ。
慶應義塾大学総合政策学部社会経営コース卒業、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程修了。
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特別研究専任講師、慶應義塾大学医学部特任准教授、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科特任准教授等を経て現職。
日本イノベーション融合学会理事長、ヒューマンインタフェース学会評議員なども務める。
専門領域は、ユニバーサルデザイン、モビリティデザイン、社会調査法等。
交通用車輌の開発に関する大型プロジェクトを多数経験。ユニバーサルデザインにかかわる地域開発を多数手がけており、研究や実務の成果の表彰も18件にのぼる。

梶谷 勇(かじたに いさむ)
国立研究開発法人産業技術総合研究所人間拡張研究センター主任研究員
1999年筑波大学大学院博士課程工学研究科修了。博士(工学)。
2000年電子技術総合研究所入所。組織改編を経て現職。
電動義手、福祉工学、介護ロボット等の開発、評価、社会実装等に関する研究に加え、国プロ等での開発事業者らの倫理審査申請支援やガイドライン作成の経験を経て工学領域での倫理審査に関する研究にも従事。

北村 尊義(きたむら たかよし)
2015年京都大学大学院エネルギー科学研究科博士後期課程を指導認定退学。博士(エネルギー科学)。
同年立命館大学情報理工学部助手、2019年同助教。
2021年2月より香川大学創造工学部造形・メディアデザインコースに准教授として着任し、現在に至る。
ヒューマンインタフェース学会ではシンポジウムにて2013年、2014年、2015年、2018年の優秀プレゼンテーション賞を受賞しており、評議員、会誌編集委員、電子広報委員や研究会委員として活動している。
研究実績は人の行動促進やコミュニケーション支援、楽器習得支援、観光支援、防災減災など幅広い領域にあり、研究方法としてはシステムデザインの提案とそのプロトタイピング評価が多い。
最近では人の心や行動を動かす場のデザインとその評価手法に関心を持ち、2022年には香川大学医学部附属病院にて病院スタッフと来院者、入院者らとをつなぐイベント「空色ポストプロジェクト」を主催している。

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