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工学

シリコンに導入されたドーパントの物理

編者 公益社団法人 応用物理学会 半導体分野将来基金委員会

著者紹介

【ドーピングにより生じるシリコン内の現象を深く理解できる】

 本書は、半導体、特にシリコン中に不純物をドーピングすることによってシリコン中で何が起きているかをしっかり理解しようということを基本的な目的として執筆されています。シリコンナノエレクトロニクスおよびシリコンパワー半導体技術の両方に対して,ドーピングに伴って起こるさまざまな現象の物理的理解,その物理的理解に関する議論,さらにその理解に基づいて課題をどのように克服するかという取り組みなどから構成され、ドーピングの奥深さと面白さを味わっていただくことができます。

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基本情報

発売日 2025年2月28日
本体価格 5,000円
ページ数 366 ページ ※印刷物
サイズ B5
ISBN(POD) 9784764960916
ISBN
(カバー付単行本)
9784764907188
ジャンル 工学
タグ 物理学, 近代科学社Digital
電子書籍形式 固定型

主要目次

はじめに

第1部 ドーピングの基礎
第1章 シリコン中の1×10^10から1×10^20cm^−3にわたる濃度範囲のドーパント不純物のフォトルミネッセンス評価
 1.1 はじめに
 1.2 ドーパント不純物の発光機構
 1.3 実験方法
 1.4 各濃度領域の代表的 PL スペクトル
 1.5 PL スペクトルの励起光強度依存性
 1.6 定量分析
 1.7 PL 法へのコメント
 1.8 まとめ
 参考文献

第2章 シリコン基板中のドーパントとその制御
 2.1 実デバイス作製時におけるドーパントの諸現象
 2.2 シリコン結晶における酸素,炭素の役割と制御
 参考文献

第3章 シリコン中の不純物原子の活性化とそのからくり
 3.1 はじめに
 3.2 Si 中に導入された不純物原子の電気的活性化
 3.3 単結晶 Si 中の不純物原子の固溶度
 3.4 単結晶 Si 中の不純物原子の固溶度が何によって決まるかについての考察
 3.5 単結晶 Si 中の不純物原子を電気的に活性化させるためになぜ高温が必要か?
 3.6 半導体デバイスで必要な浅くて低抵抗の不純物拡散層形成の熱予算 (thermal budget)
 3.7 低温アニールにより不純物原子を高濃度に電気的に活性化する技術
 3.8 一度電気的に活性化した不純物原子の不活性化 (deactivation)現象とその原因
 3.9 Si 基板中原子空孔による転位欠陥抑制
 3.10 金属との反応に伴う不純物の再分布現象および考察
 3.11 まとめ
 参考文献

第4章 ドーパントによる電子準位とドーパント拡散のミクロな機構:計算科学によるアプローチ
 4.1 はじめに
 4.2 置換位置のドーパントの引き起こす電子準位
 4.3 ドーパント拡散のミクロな機構
 4.4 まとめ
 参考文献

第5章 放射光を用いた光電子ホログラフィーによるシリコン中の高濃度ドーパントクラスターの 3 次元原子配列構造解析
 5.1 はじめに
 5.2 光電子ホログラフィーの原理
 5.3 Si 結晶中のドーパントに対する光電子分光測定および電気的活性/不活性との対応づけ
 5.4 Si 結晶中にドープされた As に対する光電子ホログラフィーによる 3 次元原子配列構造の再生
 5.5 Si 中にドープされた B に対する光電子ホログラフィー適用への課題
 5.6 As と B の共ドーピングによる AsnV 型クラスターの電気的活性化の可能性
 5.7 まとめ
 参考文献

第2部 ナノシリコンデバイス
第6章 シリコンデバイスへのドーピング技術の事共
 6.1 はじめに
 6.2 PN 接合の登場
 6.3 各種ドーピング技術の発想
 6.4 ドーピングによるデバイスの微細化
 6.5 プラズマドーピングの事共
 6.6 エピドーピングとの関係
 6.7 まとめ
 参考文献

第7章 シリコンナノ結晶への不純物ドーピング
 7.1 はじめに
 7.2 不純物ドープシリコンナノ結晶の作製と評価
 7.3 電子スピン共鳴 (ESR) による不純物ドープシリコンナノ結晶の評価
 7.4 フォトルミネッセンスによる不純物ドープシリコンナノ結晶の評価
 7.5 ホウ素,リン同時ドープコロイドシリコン量子ドット
 7.6 まとめ
 参考文献

第8章 IV 族半導体ナノワイヤへの不純物ドーピングと評価
 8.1 はじめに
 8.2 形成およびドーピング手法
 8.3 不純物ドーピング評価
 8.4 まとめ
 参考文献

第9章 シリコンへの高濃度ドーピングにおける活性化と不活性化
 9.1 はじめに
 9.2 固相エピタキシャル成長による活性化状態の形成と不活性化
 9.3 固相エピタキシャル成長法以外の方法による高キャリア濃度層の形成
 9.4 まとめ
 参考文献

第3部 パワー半導体
第10章 パワー半導体とドーピング技術
 10.1 はじめに
 10.2 パワー半導体の役割
 10.3 パワー半導体の重要機能と重要特性
 10.4 電力変換装置とパワー半導体の進化の歴史
 10.5 パワー半導体の進化のポイント
 10.6 パワー半導体の損失
 10.7 パワーエレクトロニクスのスケーリング則
 10.8 パワー半導体の損失と耐圧の関係
 10.9 バイポーラ型パワー半導体
 10.10 スーパージャンクション (SJ)
 10.11 パワー半導体の進化を支えたドーピング技術
 10.12 将来展望と課題
 10.13 まとめ
 参考文献

第11章 パワー半導体用シリコンウェーハにむけた中性子核変換ドーピングの現状と今後の展開
 11.1 はじめに
 11.2 IGBT に必要なシリコンウェーハの品質
 11.3 中性子核変換ドーピング (NTD: Neutron TransmutationDoping) 技術
 11.4 中性子核変換ドーピング技術の課題と今後の展開
 11.5 まとめ
 参考文献

第12章 パワー半導体における宇宙線照射による故障の TCAD を用いた解析
 12.1 はじめに
 12.2 ゲートターンオフサイリスタ (GTO) における宇宙線照射による故障
 12.3 宇宙線故障のメカニズム
 12.4 宇宙線によるパワー半導体の故障の新しいモデル化
 12.5 TCAD による Qcrit(VDC, z) の計算
 12.6 宇宙線中性子流束のデータと解析例
 12.7 まとめ
 参考文献

第13章 300 mmSi-IGBT 時代へ向けた不純物ドーピング制御の物理的課題と技術的挑戦
 13.1 はじめに
 13.2 ウェハ技術
 13.3 プロセス技術
 13.4 まとめ
 参考文献

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