Interviewee
寺嶋 光春(てらしま みつはる)2000年4月〜2013年3月 栗田工業株式会社 開発本部
2013年4月~ 北九州市立大学国際環境工学部
著者の寺嶋 光春先生に著書の特徴や教科書の使い方のポイントなどをお伺いしました。
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Q. どのようなことを意識して『地球環境を学ぶ』(以下:本書)をご執筆されましたか。
寺嶋ー基本的な手法の性能や正当性に対する説明・証明を,できる限り理論的に明確にすること
Q. 教科書として使いやすいように工夫した点を教えてください。
寺嶋ー授業現場で無理なく扱えるよう、次の点を重視しました。 (1) 各章を一回の講義で扱える分量に調整 九十分前後の授業で進めやすい構成とし、章ごとに話題が完結するようにしました。 (2) 図と文章を対応させ、流れを理解しやすくした構成 水質汚濁や大気汚染、富栄養化、炭素循環などの複雑な現象について、原因から結果までの流れを図で整理し、視覚的に理解できるようにしました。 (3) 専門用語を段階的に導入 教養レベルの学生でも読み進められるよう、専門語は定義と背景説明をセットにして示しています。 (4) 実データや代表的事例を積極的に提示 気候変動、水環境、大気環境、資源循環、エネルギーなど、現実のデータに基づく例を多く入れ、講義内容が社会と直結して理解できるようにしています。
Q. 教える立場での本書の使い方のポイントなどがあれば教えてください。
寺嶋ー(1) 図を中心に展開する講義との相性が良い構成です。 水循環や大気汚染の仕組み、炭素循環、物質フローなど、図を起点に説明すると理解が定着しやすくなるよう設計しています。 (2) 授業の深さに応じて節単位で取捨選択できます。 数学的な背景や詳細な理論に踏み込む節は、受講者のレベルに応じて省略しても他の節の理解に影響が出ないようにまとめています。 (3) 現代的な話題を導入しやすい構成です。 気候変動、脱炭素、循環型社会など、社会的に重要性が高まっている問題に容易に接続できるよう、基礎内容と応用内容の橋渡しを意識して配置しています。
Q. 自習など自学で使うときの本書の使い方のポイントなどがあれば教えてください。
寺嶋ー(1) 図の意味を丁寧に確認しながら読み進めることを推奨します。 図と説明文をセットで読むと、複雑なプロセスを体系的に理解しやすくなります。 (2) 各章の最後に因果関係を自分の言葉で整理すると理解が定着します。 原因、過程、結果という枠組みでまとめることで、環境問題を構造的に把握できるようになります。 (3) 専門的な勉強に進む前の基礎固めとして最適な構成です。 水環境、大気環境、資源循環、エネルギーなど、より高度な専門書に進むための基盤となる内容を一冊で確認できるようになっています。
Q. インタビューをお読みいただいた皆様へメッセージをお願いします。
寺嶋ー本書は、地球環境問題を体系的に理解するための基盤となる知識を、初学者でも無理なく身につけられるようにまとめた教科書です。環境問題は単独で存在しているわけではなく、複数の自然過程と人間活動が重なり合った結果として現れます。そうしたつながりを正しく理解することを目的にしています。 大学で環境学を学び始める方、専門外でも環境問題の基礎を確実に理解したい方、授業や研究で基礎知識を整理したい方など、幅広く利用していただける内容になっています。学習の最初の一冊として活用していただければ幸いです。
【株式会社 近代科学社】
株式会社近代科学社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大塚浩昭)は、1959年創立。
数学・数理科学・情報科学・情報工学を基軸とする学術専門書や、理工学系の大学向け教科書等、理工学専門分野を広くカバーする出版事業を展開しています。自然科学の基礎的な知識に留まらず、その高度な活用が要求される現代のニーズに応えるべく、古典から最新の学際分野まで幅広く扱っています。また、主要学会・協会や著名研究機関と連携し、世界標準となる学問レベルを追求しています。