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『数理・データサイエンス・AIのための数学基礎』
著者 岡田 朋子 スペシャルインタビュー

 



Interviewee

岡田 朋子
名古屋工業大学非常勤講師、愛知教育大学非常勤講師を経て、現在、名古屋経済大学経営学部准教授、愛知学院大学非常勤講師。
文系学生向けの数学の講義を長年担当し、試行錯誤をくり返している。
著書に『エクセルで学習するデータサイエンスの基礎 統計学演習15講(近代科学社)』がある。
博士(数理学)(名古屋大学)


著者の岡田 朋子 先生に著書の特徴や教科書の使い方のポイントなどをお伺いしました。

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Q.  どのようなことを意識して『数理・データサイエンス・AIのための数学基礎』(以下:本書)をご執筆されましたか。
岡田ー数理・データサイエンス・AI(応用基礎レベル)モデルカリキュラム「1-6. 数学基礎」に準拠しつつも、初心者でもストレスなく読め、授業でも使いやすい教科書がほしいと思って執筆しました。
なるべく天下り的な説明を避け、具体例を使い、むりなく理解できる内容になるよう意識しました。たとえば行列の積も、各種ビールの値段と重さをあらわす行列と購入本数をあらわす行列の積が合計金額と合計の重さをあらわす行列になる、というような例を使って説明しています。
一方、数学に興味をもつきっかけになりそうな話題も入れたいと思い、たとえば、線型空間の公理やε-δ論法などの説明もすこしだけ加えました。

Q. 教科書として使いやすいように工夫した点を教えてください。
岡田ー流し読み防止のためや、授業への集中力を高めるために、文章のところどころに空欄をつくりました。
また、15回分の授業で使うことを想定し、各章が授業1回分に相当するよう書きました。
理解への手助けのために、各章にExcelによる演習も加え、手を動かして実践できるようにしました。たとえば、微分係数の近似値を求め、接線のグラフを作成し、さらにスピンボタンで接点を変化させることにより、導関数の意味がわかりやすくなります。また、定積分の近似値を求めて不定積分のグラフを作成することにより、面積とはなにかや、不定積分は定積分から定義されることについての理解が深まります。

Q. 教える立場での本書の使い方のポイントなどがあれば教えてください。
岡田ー授業では、空欄に当てはまることを学生に解答させながら、説明を進めることができます。そのあと、問題を解答させるという流れにすれば、補助教材も授業準備もとくにいらず、授業中も学生が集中して説明を聞いてくれることを期待します。
例題と例題の間に問題が配置されていることが多く、教員が授業中しゃべりっぱなしということは避けられます。
各章の分量が多いので、学生のレベルに合わせ、たとえば通年30回分の授業で各章を授業2回分に対応させてもいいと思います。
Excelによる演習もあるので、座学に疲れはじめたらPCで作業させる(遊ばせる)ということもできます。説明する際、サポートページからダウンロードできる完成例ファイルも使えます。また、本書にある解説どおりにすれば、学生ひとりでも問題なく作業できると思うので、宿題にするのもいいかもしれません。

Q. 自習など自学で使うときの本書の使い方のポイントなどがあれば教えてください。
岡田ー空欄を埋めながら,しっかり考え,ていねいに読んでください.Excelによる演習もぜひやってみてください.

岡田先生お忙しい中、誠にありがとうございました。
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インタビューの中で出てきた書籍情報はこちら!

数理・データサイエンス・AIのための数学基礎

【AI・データサイエンスで必須の基礎数学をやさしく学べる!】

 本書は「数理・データサイエンス・AI(応用基礎レベル)モデルカリキュラム」の「1-6. 数学基礎」に準拠し、データやAIを活用するための数学・統計学の土台となる基礎知識を学ぶことをねらいとしています。15回分の授業で使うことを想定し、各章が授業1回相当になるよう構成。文章途中の空欄を埋めながら読み進めることで自ら考える力が付き、Excel演習でも手を動かしながら学ぶことで感覚的に数学を理解することができます。中学や高校では数学が苦手だった、という方のための一冊です。

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【株式会社 近代科学社】

株式会社近代科学社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大塚浩昭)は、1959年創立。
数学・数理科学・情報科学・情報工学を基軸とする学術専門書や、理工学系の大学向け教科書等、理工学専門分野を広くカバーする出版事業を展開しています。自然科学の基礎的な知識に留まらず、その高度な活用が要求される現代のニーズに応えるべく、古典から最新の学際分野まで幅広く扱っています。また、主要学会・協会や著名研究機関と連携し、世界標準となる学問レベルを追求しています。