Interviewee
浅井 宗海(財)日本情報処理開発協会(現:日本情報経済社会推進協会)中央情報教育研究所専任講師及び調査部高度情報化人材育成室室長、大阪成蹊大学マネジメント学部(現:経営学部)及び教育学部教授を経て、2017年より中央学院大学商学部教授。その間、文部科学省、経済産業省及び関連機関で、高等学校教科「情報」や情報技術者試験の指導要領やカリキュラム等に関する委員会の委員を歴任。
著者の浅井 宗海 先生に著書の特徴や教科書の使い方のポイントなどをお伺いしました。
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Q. どのようなことを意識して『学びを深める コンピュータ概論』(以下:本書)をご執筆されましたか。
浅井ー2022年度に高校の情報科目は「情報Ⅰ」と新しくなり、技術的な内容が深められ、驚くことに、これまで大学生・高専生・専門学校生を対象としていたコンピュータ入門書に匹敵するほどの内容が盛り込まれています。ただ、これまでの高校の情報科目においても、残念ながら、ほとんどの学生が、その学習内容をあまり覚えていないのが実情でした。
したがって、高校を卒業した学生に対するコンピュータ教育では、高校での学習を思い出させながら、既存のコンピュータ入門書の内容を超え、「情報Ⅰ」の内容を深めていくことのできる教材が必要であるとの思いで、本書を執筆しました。
よって、大学等での情報リテラシ関連科目で取り上げるオフィスソフトの内容を除き、本書では、「情報Ⅰ」で取り扱っているハード・ソフト、情報社会、マルチメディア、ネットワーク、データベース、情報システム、アルゴリズム、AIとデータサイエンスといった広範囲の内容に対応しております。
Q. 教科書として使いやすいように工夫した点を教えてください。
浅井ー大学や高専の授業で利用しやすいように、15章で構成しており、各章のボリュームについてなるべく大きく異ならないように配慮しました。
章末には理解を確認するための演習問題を各章に10問ずつ掲載しており、また、一部の内容に偏らないように、各章で取り上げた内容をまんべんなく確認できるような問題を配置しました。問題の形式も統一しているので、授業最後の小演習で利用しやすい構成にしています。
Q. 教える立場での本書の使い方のポイントなどがあれば教えてください。
浅井ー単なる知識の羅列ではなく、技術の目的やその仕組みを理解しやすいように、図解を使って説明しているので、授業においても本書の図解を使っていただくことで、イメージしやすい授業展開が可能になると思います。
また、巻末に、補足資料としてHTMLやSQL、疑似言語の基本的な文法の説明を追加しましたので、コンピュータ等を使った演習を行う場合にも利用していただけます。
Q. 自習など自学で使うときの本書の使い方のポイントなどがあれば教えてください。
浅井ー繰り返しになりますが、技術の目的やその仕組みを理解しやすいように、図解を使って説明しているので、自学自習においても、分かりやすくイメージしやすい説明になっていると思います。また、補足説明やさらに深掘りした説明については脚注に掲載し、内容にメリハリをつけています。
Q. インタビューをお読みいただいた皆様へメッセージをお願いします。
浅井ー本書を学ぶことで、高校の情報教育の内容を深め、コンピュータに興味をもっていただき、将来のコンピュータ活用の第一歩を踏み出していただくことを願って執筆しました。したがって、これからIT企業の一員として活躍される新入社員の方々にも、是非、利用していただきたいと思っております。
浅井先生お忙しい中、誠にありがとうございました。
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【株式会社 近代科学社】
株式会社近代科学社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大塚浩昭)は、1959年創立。
数学・数理科学・情報科学・情報工学を基軸とする学術専門書や、理工学系の大学向け教科書等、理工学専門分野を広くカバーする出版事業を展開しています。自然科学の基礎的な知識に留まらず、その高度な活用が要求される現代のニーズに応えるべく、古典から最新の学際分野まで幅広く扱っています。また、主要学会・協会や著名研究機関と連携し、世界標準となる学問レベルを追求しています。