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複雑化する宇宙と生物圏そして人間社会
宇宙では、誕生直後の素粒子すら無かった状態から、多くの原子や多様な分子、恒星、惑星、銀河や銀河団が生まれました。そして、地球上では驚くほど複雑な生物圏が誕生し、さらに人間は、社会規範や文化といった独自の特徴を有しています。これら変化の共通点は、単純なものから複雑なものへ変化している、つまり、時間とともに複雑化していることです。
本書は「創発」と「コンプレキシティ」という概念を用いた「コンプレキシティ増大の法則」を提示し、この法則を用いて、私たちが生きる世界が現在のような姿となった理由を見出そうと試みるものです。
まず「創発」や「コンプレキシティ」の概念を紹介するために物理学の歴史を遡り、さらに、「コンプレキシティ」の定義の基盤となるコルモゴロフ複雑性ならびにその背景となる歴史を紹介します。その後、「コンプレキシティ増大の法則」から、宇宙、生物圏、人間社会における多くの素朴な疑問への答えが導かれることを示します。
一見無関係に思える様々な現象を統一的な視点で眺めることにより、いくつもの根源的な問題に対する答えが浮かび上がる面白さを感じてもらえれば幸いです。 -
ジェンダード・イノベーションの潮流
本書は2005年に提唱された「ジェンダード・イノベーション」について、JST/CRDSによる8ヵ国・地域の政策調査に基づいた事例を紹介しています。海外では研究の性差考慮不足や無意識の偏見への意識が向上し、AIの偏りや男性基準製品の安全性課題が顕在化しています。主要ジャーナルでの記述義務化や各国資金機関での組み込み義務化などの取り組みを詳しく解説し、日本における科学的・倫理的側面の性別考慮に関しても議論の一助となることを目的とした調査報告書です。 -
英国の宗教都市ノーリッチ
英国ノーフォーク州ノーリッチ市には、ヨーロッパの中でも抜きん出て教会が多いという特色があります。本書は、1970年代を中心に同市に11回、合計5年余り滞在した筆者らが、古代から中世を経て近年に至るまでの英国ならびにノーリッチ市の歴史をたどりつつ、同市が多数の教会を抱えることとなった理由を解説します。巻末には、中世のノーフォークやノーリッチにおけるキリスト教信仰についての専門的な論文3本を掲載しました。 -
跡倉ナップと中央構造線
【跡倉ナップの80年にわたる研究史を紐解き、中央構造線研究の現在に迫る!】
跡倉ナップは日本の代表的なナップの一つで、中央構造線の形成、西南日本と東北日本の関係、フォッサマグナの対曲を考える上で鍵となる存在になっています。跡倉ナップをめぐる問題は古くて新しい問題であり、本書ではこれを跡倉問題と呼びます。
本書は跡倉問題の研究の歴史、研究の流れを一通り見ることを目的として書かれたものであり、発表された論文や報告に基づいて研究の流れを追ったものです。
得られては失われ、たどり着いたと思えばそこが出発点、というような跡倉問題の複雑で難解な研究の歴史の、おおよその流れを記そうとした本書が、少しでもお役に立てば幸いです。